Dissertation
visvim (Store)
GYREの2階でお店をオープンすることを提案されたのは去年のことです。すべてのプロセスはとても自然で、オーガニックでした。ブランドが新たな段階への過渡期にあったことを考慮すると、完璧なタイミングだと感じました。
Category: | Shops |
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Date: | 2014.09.09 |
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Tags: | #GYRE #visvim #ビズビム #表参道 |
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(Interview with Hiroki Nakamura)
ー先日、〈visvim〉フラッグシップストアをオープンされましたね。なぜいま、また、なぜ〈F.I.L. TOKYO〉に近いGYRE表参道だったのですか?
〈visvim〉を設立して15年、初めて直営店をオープンして10年が経ちました。ブランドとしては、10年、いや5年前とさえ違う新しい段階に入りました。〈F.I.L. TOKYO〉はおかげさまで順調です。昔から少し探さないと辿り着けないデスティネーションストアでしたね。だって、地下にある店ですから(笑)。ブランドが成長するにつれ、僕らがやっていることをこれまで以上に多くの人々とシェアしたいと思うようになりました。
GYREの2階でお店をオープンすることを提案されたのは去年のことです。すべてのプロセスはとても自然で、オーガニックでした。ブランドが新たな段階への過渡期にあったことを考慮すると、完璧なタイミングだと感じました。
表参道の中心にお店を出したのは、多くの人に〈visvim〉を紹介したいという気持ちからです。この10年の間でさえ、表参道は以前に増して更にインターナショナルなエリアになりました。街を歩くと多様性が見えます。多くの人々にブランドを知ってもらうのにぴったりな場所ですね。
―〈visvim〉フラッグシップストアと〈F.I.L.〉との違いは何ですか?
初めて直営店をオープンした時、〈visvim〉という名を使いたくありませんでした。当時はブランドがまだ若く、お店がどうなるか分からなかったので、完全にブランディングされたフラッグシップストアではなく「Free International Laboratory (F.I.L.)」という、ニュートラルでギャラリーのようなリテールスペースにしました。
あれから10年、〈F.I.L.〉の名で直営店を出し続けてきました。ブランドの現状、表参道の最も良いロケーションに出店するというチャンス、今こそ〈visvim〉の名でお店を出すときだと思いました。これまでで最も人目に触れる店舗として、ブランドの顔となる役割を果たすことが重要です。フランス製のボタンダウンシャツ、イタリア製のレザーアウター、天然染のカットソーやヤマブドウの蔓で作られたバッグ。〈F.I.L.〉ではお見せすることができないかもしれない、ブランドの現状と生産能力を示す代表的な商品を〈visvim〉フラッグシップストアには並べたいと思っています。
―〈visvim〉と〈F.I.L.〉とでは利用されるお客様は異なると予想していますか?
〈F.I.L.〉はデスティネーションストアです。昔から〈visvim〉のファンでいてくださる方々に長年ご利用いただいています。それは、将来においても永続するものと願っています。
〈visvim〉フラッグシップストアは、人通りの多い場所で、誰でも気軽にお店に入り、ボクたちがやっていることを見ていただくことができます。ほんの一握りのお客様でも「この商品はすばらしい」と思っていただけたらうれしいです。このように新たなお客様にアプローチしたことはないし、これまでのお店は特に入りやすくもありませんでしたから。ブランドが成長したことで、これまでより少しだけ間口を広げ、新しい方々にお会いしたいと思っています。例えば義父は、ボクらが作っている靴を気に入ってくれていますが、以前はブランドを発見する機会がありませんでした。つまり、この新しいお店は「visvimに気づくきっかけ」となってほしいと思っています。
―〈visvim〉を知ってもらうためのお店ということですか?
そうです。もう少しだけ。アメリカやヨーロッパのメディアから、〈visvim〉は本当に存在しているのかわからないくらいミステリアスなブランドだと良く言われます。海外でも多くの人は〈visvim〉というブランド名を耳にしたことがあると思いますが、噂で聞いたことがあるということと、実際に存在するということとには少しギャップがあります。
このお店を出すことは、ファッション業界への、マーケットへの新たな一歩です。ボクらが成長していく上で必要な「一歩」であると信じているし、楽しみな一歩ですね。
visvim
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 2F
03 5468 5424