Dissertation
Kasezome(Natural Indigo Skein Dyeing) / 天然藍のかせ染め
日本で古くから行われてきた藍を用いた染色方法のひとつである「かせ染め」。糸をループ状の束にして、藍に浸けては絞り、空気にさらして酸化させることを繰り返す染色法で、糸の芯まで染料が入り込み、糸本来の風合いを保ちながら深い藍色を得ることができる。
Category: | Material |
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Date: | 2023.10.17 |
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Tags: | #aizome #fw23 #kasezome #naturalindigoskeindyeing #productIntrospection #visvim #かせ染め #藍染め |
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日本で古くから行われてきた藍を用いた染色方法のひとつである「かせ染め」。糸をループ状の束にして、藍に浸けては絞り、空気にさらして酸化させることを繰り返す染色法で、糸の芯まで染料が入り込み、糸本来の風合いを保ちながら深い藍色を得ることができる。
今回、10年以上前から〈visvim〉の多くの商品を染め上げてきた東京・青梅市にある「壺草苑(こそうえん)」さんに相談したのは、「かせ染め」でウールとリネンの混合糸を濃くて深い藍に染めること。
>藍染めについて詳しくは「Dissertation: Aizome (Natural Indigo Dyeing) / 藍染め」参照
動物性のウールと植物性のリネンでは染まり方が違い、ムラなく濃く染めることは難しい。古くなった藍で下染めし、ウールの油分やシケなどの余分な成分を落とすことから始めて、甕の中で糸束を何度も回転させながら藍に浸け、引き上げてしっかりと絞り、手早くさばいて糸一本一本を空気に触れさせる。この工程を6~8回ほど繰り返し、洗いをかけた後に灰汁につけ、4~5日天日に干すことで、余計な茶色のタンニンが抜けた澄んだ藍色を得る。
職人は長年培った知恵や工夫を駆使して均一に染め上げることを目指す。けれども、天然の染料で天然の素材を染める以上、色ムラは必ず生じてしまうもの。その意図的ではない極僅かな色ムラが人間味のある深い魅力となる。〈visvim〉はこうした技術を持つ職人との仕事を続け、新たなモノづくりを模索している。
写真、動画:阿部健