Dissertation
Inspiration / インスピレーション
古いオブジェクトやガラクタからインスピレーションを得ることが多くある。貴重なもの、貴重でないもの、流行っているもの、いないもの。そういうことは関係ない。とにかく、より多くのアーカイブを見て、自分が何か感じるものに出会うことが大切である。
Category: | Philosophy |
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Date: | 2016.01.26 |
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Tags: | #Inspiration #ss16 #visvim #インスピレーション |
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古いオブジェクトやガラクタからインスピレーションを得ることが多くある。貴重なもの、貴重でないもの、流行っているもの、いないもの。そういうことは関係ない。とにかく、より多くのアーカイブを見て、自分が何か感じるものに出会うことが大切である。
ある日、フリーマーケットで物色中に、滅多にお目にかかれないくらい気に入った骨董商のブースを見つけた。彼の集めている骨董たちはどれも魅力的だ。流木、木彫、夜着から古いファブリック、器まで美しく枯れていて存在感ある素晴らしい品々。それぞれの骨董から彼の審美眼を感じることができる。すっかり魅了されてコレクションに見入っていると、その骨董商と専門家風の客との会話が耳に入った。
「これは江戸元禄期あたりのものですね?」と客。
「それはよく解らないね。その時代にいた訳ではないから。そういうことはあなたみたいな学者さんが研究してください。私はただ、自分が心を動かされたものを売ってるだけだから」と骨董商。
理屈や説明で理解するのは楽しいものだが、それだけでは心には刺さらない。頭では説明ができない、その何かはどこから来るのだろうか?心を動かすプロダクトをデザインしたい。
僕の心を動かしたインスピレーションをボードに並べてみました。
ロサンゼルスのアンティークモールで見つけた古いブラス製のステンシル用の型。作者不明の鉛筆で描かれたカウボーイのドローイング。京都の古本屋で見つけた江戸時代の西陣織の生地見本。アメリカのコロラドリバーで見つかったトレードビーズ。1920年代のカラフルなスパークプラグ。アメリカのどこかで見つけた手彫りの木彫ブーツのおもちゃ。妻と娘のために宮古島で拾った貝で作ったネックレス。手作りのバンジョウ。
自分でも何に惹かれているのかわからないし、外から見える形が全てではないはず。ただ、確かなのは心を揺さぶられたという事実。仮定と感覚を手掛かりにオブジェクトや事象の分析を始めます。
頭で考えないで、心で何を感じたかを紐解きます。デザインプロセスのはじまりは、自分の心と向かい合う作業なのです。
Dissertation on revealing the inspiration
visvim Spring and Summer 2016