Dissertation
Indigo / インディゴ
これまで様々な場面で紹介してきた天然藍染は不均一なムラのある表情を持っています。それは、手作業であることや、天然の素材ゆえに刻々と状態が変化する染料、気温や湿度など、コントロールすることが難しい様々な要因がもたらすもの。そうしたムラ感や奥行きのある表情を、化学染料であるインディゴの「かせ染め」で生み出そうとしている職人がいます。
Category: | Material |
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Date: | 2016.03.15 |
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Tags: | #indigo #visvim #かせ染め #インディゴ |
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かせ染め
これまで様々な場面で紹介してきた天然藍染は不均一なムラのある表情を持っています。それは、手作業であることや、天然の素材ゆえに刻々と状態が変化する染料、気温や湿度など、コントロールすることが難しい様々な要因がもたらすもの。そうしたムラ感や奥行きのある表情を、化学染料であるインディゴの「かせ染め」で生み出そうとしている職人がいます。
もともと「かせ染め」は、日本で古くから行われてきた藍染の染色方法。ぐるぐると束状になった糸を枷(かせ)と言い、それを染料の入った瓶に漬けて染める方法で、糸の芯まで深く染まり、糸本来の風合いを残しながら染めることができる染色方法とされています。現在も「かせ染め」自体は広く行われていますが、その多くは機械によるもので、均一でムラのないフラットな糸を作ることを目的としています。
あえて、手間も時間もかかる手作業による「かせ染め」で、藍染にも負けない豊かな表情を作り出す。もちろん手作業であればよいというわけではなくて、それはインディゴについての深い知識や、培ってきた経験があってはじめて形になるもの。そもそも化学染料のインディゴは早く、均一に染めることができるということが、利点であるのに、その逆転の発想が新しくて、とても面白い。目指すゴールがはっきりしていないとできないことです。これまで、世の中にインディゴが広まってきた経緯の中にはなかった発想ではないでしょうか。
古くから伝わる様々な手法を、これまでとは違う形で用い、また新しい何かを作り出そうという姿勢や情熱に共感するところが多いし、これからも一緒にいろいろなプロダクトを作っていくことが楽しみです。