Dissertation
「OLD VISVIM NEVER DIES」 featuring WMV products
ヴィンテージのものを集めていると一つ気づくことがあります。それは、レディースのものにはあまり出会えないということ。
Category: | Philosophy |
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Date: | 2024.10.01 |
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Tags: | #oldvisvimneverdies #OVND #visvim #wmv #経年変化 |
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ヴィンテージのものを集めていると一つ気づくことがあります。それは、レディースのものにはあまり出会えないということ。
もともと、メンズに比べて簡素な作りのものが多く、ユーティリティという目的で作られることが少ないため、昔のものは傷んでしまって残っていることがあまりありません。特に近年になればなるほど、レディースカジュアルはファッション化され、作り込まれたものが少なくなったように思います。
女性も内面的なクオリティーのよさや、着心地がよい服、履き心地がよいブーツを求めているはずで、ボク自身は、特に今、そういうモノが女性のマーケットには必要だと感じています。
ボクたちは〈visvim〉として、メンズのプロダクトと同じように、長持ちし経年変化を楽しめるレディースのプロダクトを作り込んで紹介したらどうだろうか。
こうして、2013年秋にレディースブランド〈WMV〉はスタートしました。
あれから11年。今秋開催される〈WMV〉のPOP-UPイベント「Clothing and Harmony」に合わせてこれまでの足跡を振り返ってみます。長年愛用され美しく経年変化した〈visvim〉のプロダクトを紹介するプロジェクト「OLD VISVIM NEVER DIES」。今回は〈WMV〉のプロダクトをデザイナーの中村ケルシーの私物とコメントと共に特集します。
MAII HAT (COYOTE FUR)
DURATION: 11 YEAR
毛皮の帽子が好きなのは温かみが感じられるから。娘の莉子が小さかった頃、ぬいぐるみとしても(輪ゴムで一方の端を留めて頭を作って)遊んだりしたこともありました。このコヨーテの帽子はナチュラルカラーのもので、インスピレーションは祖母なんです。ニューヨークの2月はこの帽子を被るのにちょうどいい季節で、街に出る時に帽子と手袋、財布を身につけるのがおしゃれだと教えてくれたのは彼女でした。私は祖母の話を聞くのがいつも楽しみで、彼女が過ごしてきた時代のことを教わりました。その影響は私が作るものによく表れています。
使い易く頻繁に使用出来る、長持ちするものであることを大切にもの作りをしていますが、この帽子はそれをよく表していて、私自身の物語の多くの場面に出てくるものの一つになっています。
RUANA DRESS (YAK WOOL)
DURATION: 9 YEARS
ボックスドレスが好きなのはタイムレスで旅先に持って行きやすいから。この形はWMVの定番でどんな靴にも合うんです。折りたたんで小さく丸められるので旅は身軽。夜に手洗いしておけば朝には乾いてしまうのもいいですね。デザインは民族衣装からヒントを得たもので、素材は手織りのヤクウール(70%)とシルク(30%)。京都の絞染めで生地の自然な地色に黄、橙、茶の順で色を加えて染め上げています。もの作りの始まりである生地の質を高めることをいつも大切にしています。
RIVIERA DRESS DOTS(N.D.)
DURATION: 8 YEARS
このドレスが好きなのは、コチニールとケリア・ラッカという虫から抽出した天然染料で染めたバンダナを使っているから。虫から得た染料と肌とのコントラストが美しいんです。とても使いやすいから春、夏、秋と季節問わず日常的に着ています。ジャケットと合わせるとさらに素敵。バンダナの伝統的な作り方のひとつであるリネンに抜染でドットを施した生地は、ネイティブ・アメリカンのクリエイティビティと限られた材料でも美しい生地を作る能力にインスピレーションを受けたもの。100歳になるまで着られるタイムレスなワンピースです。
P.T.U. TRAINER
DURATION: 9 YEARS
スニーカーのルックが好きで毎日のように履いています。脚をすっきり長く見せてくれるんです。この靴はサッカーのスパイクシューズからインスピレーションを得たもの。ドレスでもデニムでも、どんな服装にも合うスニーカーです。
SOCIAL SCULPTURESS PANT PRIME DMGD
DURATION: 8YEARS
長年履きこんで洗濯と乾燥を繰り返したヴィンテージのデニムにみられる生地のねじれを再現したデニム。一般的なねじれを防ぐ加工を施していないことで、柔らかな綾織の質感を保ちながら履きこむほどに足に馴染んでいます。