Dissertation
FBT
17歳の頃、一足のモカシンに出会い、数百年前にネイティブアメリカンが着用していたモカシンの機能性、その美しさに気づかされました。足全体を包み込むようなユニークな構造、長年履かれ柔らかくなったエルクレザー、モカシンはそれまでに履いた靴とは全く異なっていました。
Category: | Products |
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Date: | 2014.08.12 |
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Tags: | #fbt #mocassin #nativeamericans #vibram #visvim #モカシン |
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17歳の頃、一足のモカシンに出会い、数百年前にネイティブアメリカンが着用していたモカシンの機能性、その美しさに気づかされました。足全体を包み込むようなユニークな構造、長年履かれ柔らかくなったエルクレザー、モカシンはそれまでに履いた靴とは全く異なっていました。その一足は、砂漠地域のネイティブアメリカンが底部に硬化したレザーを付け加えたように、既にゴムソールが取り付けられ都会で履けるように改造されていました。ゴムソールは都市で生活する人にとって必要不可欠なものです。
visvimを設立した時、まだマーケットにない画期的な商品を作りたいと考えていました。そのアイデアは、若い頃にインスパイアされたヴィンテージのクラシックなシルエットを引用し、高い技術のモダンなスニーカーアウトソールと組み合わせるというものでした。
ネイティブアメリカンの生々しい、むきだしの力強さを保ちながら都会でも履ける機能を持たせる。都会でも履けるということは、スニーカーソールを追加するということだけで終わりません。靴の見栄えや様々な服との相性も重視されました。そこから、取り外すことができるフリンジのアイデアが浮かびました。スタイルを多彩にするため、フリンジが付いた状態、付いてない状態、それぞれで納得のいくシルエットに仕上げるのに6ヶ月以上を要しました。ネイティブアメリカンのモカシンが持つ力強さを持たせるために、アッパーにはナチュラルタンニングのエルクレザーを使用し、そしてそこに、アウトソール、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)パイロンミッドソール、TPU(熱可塑性ポリウレタン)ヒールスタビライザーという現代の高性能な要素を加えて仕上げました。
10年以上前、FBTがリリースされた当初はとても大きな反響がありましたが、それからもオリジナルデザインの改善を継続しています。見た目はそれほど変わっていませんが、多くの素材はアップグレードされました。ポリウレタンで作ったミッドソールのほか、モデルによってはVibram社別注のカスタムソールが採用されています。また、肌への刺激を軽減させるため、アッパーには顔料無使用のナチュラルタンニングレザーが使用され、履き込むほどに足の形に馴染むナチュラルコルクがインソールに取り入れられました。足、そして靴には身体の他の部分よりも大きな負担がかかります。そのため、天然素材がもたらす高い通気性などの心地良さがとても重要な役割を果たします。
FBTは私たちの象徴のような存在です。長年使え、美しく経年変化し、市場に支持され続ける商品を作ることを目指しています。FBTはこの目標が具現化されたモノかもしれませんが、私たちにとっては、新しい画期的な商品を作る原動力、インスピレーションとなるモノでもあるのです。