Dissertation
DRY DENIM / ドライデニム
僕が最初に洋服に興味を持ったのは、ローティーンの頃、古着屋でヴィンテージのデニムを見たとき。本物のヴィンテージだけが持つ、何とも言えない独特の存在感がすごく魅力的でした。
Category: | Processing |
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Date: | 2017.09.19 |
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Tags: | #drydenim #visvim #ドライデニム |
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僕が最初に洋服に興味を持ったのは、ローティーンの頃、古着屋でヴィンテージのデニムを見たとき。本物のヴィンテージだけが持つ、何とも言えない独特の存在感がすごく魅力的でした。
そうしたデニムの雰囲気を僕らが作っているダメージデニムで再現することはできないだろうかと、これまで試行錯誤を続けてきましたが、どうしても手に入れることができなかったのはヴィンテージデニムが持つドライ感。生地の目が詰まることで生まれるこの特徴は、西海岸の強い日差しの中で着続けられ、アメリカの強力な洗濯機でガンガン洗われることでもたらされるもの。長い年月をかけ、そのデニムがおかれた環境や、着る人のライフスタイルが作るそのリアルな表情を出すにはどうしたらよいのだろうか。
その肌触り、凹凸感のある表情を再現することに何年も取り組み続け、ようやく行き着いたのが、繊維の油分を抜くために、ある特殊な加工を施しトリートメントするという方法。その加工の収縮率は非常に高くコントロールできないため、通常、天然繊維には用いない難しい技術です。
なかなか安定せず苦労しましたが、何度もテストを繰り返してようやく形になった「DRY DENIM」は、生地の目がグッと詰まり、ドライで奥行きのある表情を持ったものに仕上がりました。見た目だけでなく触った感覚も含めて、ヴィンテージの持つ魅力を取り入れることができたと思います。
肌触りや色合い、仕上げの加工具合が一本一本少しずつ異なるユニークなデニム。ヴィンテージデニムを探すように店頭で見比べてみてもらえるとうれしいです。