Dissertation
Indigo Camping Trailer
20世紀の生産方法は、均一なモノを大量に作るという新たな時代の扉を開けました。〈Indigo Camping Trailer〉は、そうしたモノづくりが深く根付いたいま、「温もり」や「キャラクター」のあるプロダクトを作るにはどうしたらよいか、その届け方も含めて探究を続けています。
Category: | Brands |
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Date: | 2024.03.19 |
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Tags: | #ict #indigocampingtrailer #インディゴ・キャンピング・トレーラー |
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作り手のパーソナリティーが感じられる、温かみのあるプロダクト
懐古的なものではなく前に進むという意味で、「天然染色」には多くの可能性を感じています。もちろん、昔のものは大好きだけれど、それ自体を目指すのではなく、今のモノ作りに通じるヒントとなる部分があって、その部分と現代の技術を組み合わせて何か新しいモノが生まれないかと試行錯誤を続けてきました。
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前世代の人達というのは、純粋により良い物をと、できるだけ均質なモノを作ることを目指していましたが、天然染色というのは100%コントロールできない。それが、作為的でない不均一なムラをもたらし、作り手のパーソナリティーが感じられるような、温かみのある表情を生みました。オーセンティックなものが持つ魅力は、こうしたところにあると考えています。
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コレクションにはどうしてもかけられないもの、例えば、泥染めのグッドイヤーなどは今の生産体制だと作れる数に限りがあります。〈Indigo Camping Trailer〉で試験的に展開して、研究室のように掘り下げていく。上手くいったものは〈visvim〉や〈WMV〉のコレクションで応用して、新たに浮かんだ課題やアイデアはまたここで試す。このブランドには、モノ作りのドライブのような役割も期待しています。
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2013年、〈Indigo Camping Trailer〉をスタートしたのと同じ年にオープンしたお店も、ブランドのモノ作りと同じく実験的なコンセプトを持っていました。
コマーシャルなショッピングビルのような場所で、新しいお客さまにアプローチするとしたらどういう方法が面白いだろう。均質化されたフラットな決まりきったものではなく、自分のパーソナルな部分を表現したい。そこから、子供の頃から憧れていたフリーダムなイメージである「ヴィンテージのキャンピングトレーラーを持ち込んだフリーマーケット」というアイデアが浮かびました。
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実験的な商品に、自分で買いつけたいろんなものや、自分のソースになっている、本物の生々しいオブジェクトもディスプレイする。自分の内面を表現するように、モノ作りのプロセスやアーカイブも曝け出すことで、コマーシャルなところから抜け出た、それまでになかったお店になってくれればという思いがありました。
ブランドの拠点を中目黒の「VISVIM GENERAL STORE / VISVIM GALLERY」、LAの「VISVIM EXPOSITION」の一画に移したいまも、こうしたコンセプトに変わりはありません。2013年から開催している、店舗をそのまま外へ持ち出したようなイベント「Traveling Trading Post」も継続しています。
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20世紀の生産方法は、均一なモノを大量に作るという新たな時代の扉を開けました。〈Indigo Camping Trailer〉は、そうしたモノづくりが深く根付いたいま、「温もり」や「キャラクター」のあるプロダクトを作るにはどうしたらよいか、その届け方も含めて探究を続けています。
取扱店舗
VISVIM GENERAL STORE / VISVIM GALLERY
153-0042 東京都目黒区青葉台1-22-11
03 6452 4772
VISVIM EXPOSITION
304 S Broadway, Los Angeles, CA 90013, USA
+1 213 265 7901
visvim WMV Official Web Store
2024.3.19 Republished with revisions
2013.01.12 Original work published